"Old Devil Moon"


夜、外を歩いていて、月明かりがきれいだなぁと思ったのは水曜日。

満月だったのは12日の木曜日。

昨日も友人たちと食事をしながら

お店の窓から見上げた空にぽっかり十六夜の月が浮かんでました。


明るい陽射しも好きだけれど

凛とした月の光は幻想的でもっと好き。

お日さまとちがって、いくらでも眺めていられるのも好き。


“Fly Me To The Moon”

“Blue Moon”

"Moon River”…

月がタイトルになっている曲はいろいろあるけれど、

気に入っているのは“Old Devil Moon”。


そのまま訳せば「古き悪魔の月」。なんとも不気味なタイトルなのですが(笑)

一目惚れしちゃった男の子の歌。


そうそう、日本では月は神秘的なイメージがあるけれど

英語圏では「Lunatic」は常軌を逸してしまうようなイメージが強いのです。

(ほら、狼男は月を見ると変身しちゃったりするでしょ。あの感じ)


ここでは別に悪魔が出てくるわけでもなんでもなくて

それほど狂おしい恋に落ちちゃった、というわけです。


JAZZは歌い手に合わせて「I」が「ぼく」になったり「わたし」になったりなのだけど。

この曲は基本は男の子の歌かな、と思う曲の一つです。


***

Old Devil Moon

(1947年 Words:E.Y. Harburg Music:Burton Lane)


I look at you and suddenly

Something in your eyes I see

Soon begins bewitching me


君を見た瞬間にぼくは見たんだ。

君の瞳の中に何かが潜んでいるのをね。

で。あっというまに君の虜になったってわけ。


It's that old devil moon

That you stole from the skies

It's that old devil moon in your eyes


それこそが〈OLD DEVIL MOON〉だったんだよ。

君は空から盗んできたんじゃないかと思うよ。

君の瞳の中に潜む〈OLD DEVIL MOON〉をさ。


You and you glance

Make this romance too hot to handle

Stars in the night

Blazing their light can't hold a candle

To your razzle dazzle


君がチラッとぼくをみるだけで

どうしようもない恋心に胸がドキドキするんだよね。

夜に浮かぶ星たちの眩い光だって

まるでたちうちできないほどの光を放ってる。


You've got me flyin' high and wide

On a magic carpet ride

Full of butterflies inside


君はぼくを空高く悠々と飛んでるような気分にさせるんだ。

魔法の絨毯に乗って。

体の中でたくさんの蝶たちが羽ばたこうとしてるみたいに。


Want to cry, want to croon

Want to laugh like a loon

It's that old devil moon in your eyes


泣いちゃいたいような、歌い出したいような

おかしくなって笑いだしちゃいそうな

どうしようもない気持ちになるんだよね。

君の瞳の中の〈OLD DEVIL MOON〉のおかげでさ。


Just when I think, I'm free as a dove

Old devil moon, deep in your eyes blinds me with love


まるで鳩になって空を自由に飛べるような気になっていたら

君の瞳の奥にある〈OLD DEVIL MOON〉に魅せられて

恋の虜になっちゃったんだよね。


***


元はミュージカル「Finian's Rainbow」の挿入歌。

甘い甘〜いラブソングです。


ジャズのライブでよく聞く曲調は

ミディアムテンポのスィングかラテンが多いかしら。


フランク・シナトラやサラ・ヴォーンがスタンダードに歌うのも素敵だし

チャット・ベイカーのラテンとスウィングを組み合わせたアレンジは甘くて素敵。


この曲を初めて聞いたのは多分数年前に行ったJamie Cullumジェイミー・カラムのライブのとき。

彼は自分でピアノを弾きながらダンサブルにうたって楽しそうでした。

いろいろ聞いててかっこいい!と思ったのは

Tierney suttonティアニー・サットンのアレンジ。

モダンでライトで。ドラムがパーカッションっぽくて。

古い素敵なジャズをアレンジして歌ってみるのはとても楽しい。

ミュージシャンのみなさまのアイデアと腕をお借りして

いろいろなアレンジにチャレンジして見たいと思っています。

TODAY IS A GIFT

編集ディレクター&ラッピング・コーディネーターのyuricoです。 Jazzも歌っています。 東京のことと、ときどきパリのこと。 ちょっとうれしいこと、 たのしいおしゃべり、 おいしいごはん、 よい音楽、 やりがいのある仕事、 素敵なことば、 気持ちのいい空や風… 日々のちいさな〈GIFT〉メモ。

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