先月発表されたノーベル文学賞を受賞された
カズオ・イシグロさんの短編集
『夜想曲集〜音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』を読みました。
以前『わたしを離さないで』を読んで
その発想に驚かされた一方で
考えることも多い作品だったので
短編集、しかも音楽をテーマにしたものならば
少し気軽に読めるかしら...と思ったのが選んだきっかけです。
とはいえ、やはりカズオ・イシグロさん。
そうはさらりとしたものではなく、
少し気難しそうな登場人物たちのややこしい人間関係が
まじめにも、悲劇的にも、でも喜劇的にも進んでいったのですが!
英語版からの翻訳の文章は少し固く感じつつも、
気づけばあっというまに読み進んでしまう本でした。
イギリスはトランジットで通り過ぎたことしかないので
お国柄が体感としてはわかりませんけれど
異国が舞台の小説はその場所を想像しながら読むのもまたたのしみですよね。
後日それがぴったり!だったこともあれば
まったくちがったりすることもあるわけですけれど。
そういうことも含めて、読書のたのしみ、かと。
『夜想曲集』カズオ・イシグロ/著 ハヤカワ文庫
0コメント